健診や家庭で血圧を測り、「上が140を超えた」「下が90を超えた」と心配になる方は少なくありません。
血圧は、緊張、運動、睡眠不足、寒さ、痛みなどによって一時的に上昇します。
一回の測定値だけでは高血圧と診断できませんが、高い状態を放置すると、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病などの危険性が高まります。
家庭で正しく血圧を測り、複数日の平均値を確認することが大切です。
高血圧の基準はいくつですか?
高血圧とは、診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上、または家庭血圧が135/85mmHg以上の状態です。
上の血圧と下の血圧のどちらか一方が基準以上でも、高血圧に該当します。
| 測定場所 | 高血圧の基準 |
|---|---|
| 医療機関の診察室 | 140/90mmHg以上 |
| 家庭 | 135/85mmHg以上 |
高血圧の診断基準と、治療によって目指す降圧目標は異なります。
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、忍容性などを考慮しながら、原則として診察室血圧130/80mmHg未満を目指す方針が示されています。
年齢、持病、体調、治療によるふらつきなどによって、個別に目標を調整します。
一回だけ血圧が高くても高血圧ですか?
血圧は常に変動しているため、一回高かっただけでは高血圧と確定できません。
次の状況では一時的に血圧が上昇します。
- 緊張している
- 運動直後
- 睡眠不足
- 寒い場所にいた
- 強い痛みがある
- 尿を我慢している
- 喫煙やカフェイン摂取の直後
- 会話しながら測定した
家庭血圧を数日間測定し、平均値で判断します。
ただし、著しく高い値が続く場合や、胸痛、息苦しさ、神経症状などを伴う場合は、測定を繰り返すだけで様子を見ず、医療機関へ相談してください。
家庭血圧はどのように測ればよいですか?
上腕に巻くタイプの血圧計を使用し、朝と夜に測定します。
朝の測定
- 起床後1時間以内
- 排尿後
- 朝食前
- 降圧薬を飲む前
- 座って1分から2分安静にした後
夜の測定
- 就寝前
- 座って1分から2分安静にした後
一回の測定機会に原則として2回測り、結果を記録します。
少なくとも5日から7日程度の記録があると、普段の血圧を判断しやすくなります。
測定前の喫煙、飲酒、カフェイン摂取、運動は測定値に影響します。
白衣高血圧と仮面高血圧とは何ですか?
白衣高血圧とは、医療機関では血圧が高いものの、家庭では基準未満となる状態です。
診察時の緊張などが関係します。
一方、仮面高血圧とは、医療機関では正常でも、家庭や職場では血圧が高い状態です。
早朝、夜間、仕事中だけ血圧が高くなる場合があります。
診察室の血圧だけでは区別できないため、家庭血圧の記録が役立ちます。
高血圧には症状がありますか?
高血圧は、血圧が高くても自覚症状がないことが少なくありません。
頭痛、肩こり、めまい、動悸などを感じる方もいますが、これらは高血圧以外でも起こります。
「症状がないから治療しなくてよい」とは判断できません。
治療の目的は現在の症状を取ることだけではなく、将来の脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病を予防することにあります。
高血圧の原因は何ですか?
高血圧の多くは、遺伝的な体質と生活習慣が重なって起こります。
関係する主な要因は次のとおりです。
- 塩分の多い食事
- 肥満
- 運動不足
- 飲酒
- 喫煙
- 睡眠不足
- ストレス
- 加齢
- 高血圧の家族歴
腎臓病、ホルモンの異常、睡眠時無呼吸症候群など、特定の病気によって血圧が上昇することもあります。
若い頃から著しく血圧が高い場合、複数の薬を使用しても下がらない場合、急に血圧が悪化した場合は、原因となる病気を調べます。
血圧が高いとき、すぐに受診した方がよいですか?
自覚症状がなく、血圧が一時的に高かっただけであれば、まず落ち着いて再測定してください。
次のような場合は、早めに医療機関へ相談してください。
- 家庭血圧135/85mmHg以上が続く
- 診察室や健診で140/90mmHg以上を繰り返す
- 収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧110mmHg以上が繰り返し測定される
- 降圧薬を服用していても高い
- 血圧の変動が大きい
- 妊娠中に血圧が高い
- 腎臓病、糖尿病、心臓病がある
著しい血圧上昇とともに、強い胸痛、呼吸困難、意識障害、激しい頭痛、片側の手足の麻痺などがある場合は、救急相談または救急要請を検討してください。
血圧の数値だけで緊急性を決めるのではなく、症状と合わせて判断します。
高血圧ではどのような検査を行いますか?
家庭血圧の確認
朝と夜の血圧を確認し、白衣高血圧や仮面高血圧の可能性を評価します。
血液検査
腎機能、電解質、血糖値、HbA1c、コレステロール、尿酸などを確認します。
尿検査
尿蛋白や尿潜血を調べ、腎臓への影響がないか確認します。
12誘導心電図
高血圧による心臓への負担、不整脈、心筋虚血を示唆する変化などを確認します。
心臓超音波検査
必要に応じて、心臓の壁の厚さ、心機能、弁膜症などを評価します。
年齢、血圧の程度、持病、検査結果に応じて必要な検査を選択します。
高血圧の治療はどのように行いますか?
治療は、生活習慣の改善と薬物治療を組み合わせて行います。
生活習慣では次の点を見直します。
- 食塩摂取量を1日6g未満に近づける
- 野菜や果物を適切に取る
- 適正体重を維持する
- 無理のない範囲で運動する
- 飲酒量を減らす
- 禁煙する
- 睡眠時間を確保する
腎臓病などがある方は、カリウムを多く含む食品が適さない場合があります。
食事内容は持病に応じて調整してください。
薬物治療が必要な場合は、年齢、腎機能、心臓病、糖尿病などを考慮して降圧薬を選びます。
自己判断で薬を中止したり、服用量を変更したりしないことが大切です。
よくある質問
血圧の薬は一度始めると一生飲み続けますか?
体重減少、減塩、運動などによって血圧が改善し、薬を減らせる方もいます。
ただし、自己判断による中止は血圧の再上昇につながるため、家庭血圧を確認しながら医師と調整します。
朝だけ血圧が高いのは問題ですか?
早朝高血圧は、脳卒中や心臓病の危険性と関係します。
朝の血圧が繰り返し高い場合は、測定時間、薬の効果、睡眠時無呼吸などを確認します。
春日部市で血圧が高い方へ
高血圧は自覚症状が乏しくても、心臓、脳、腎臓、血管へ長期間負担をかけます。
はた内科・不整脈クリニックでは、家庭血圧の評価、血液検査、尿検査、12誘導心電図、心臓超音波検査などを用いて、血圧の状態と臓器への影響を確認します。
春日部市藤塚周辺で、健診で血圧が高いと言われた方や、家庭血圧が135/85mmHg以上となる方はご相談ください。
※本記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の診断に代わるものではありません。
執筆、監修
はた内科・不整脈クリニック
院長 畠 信哉
日本内科学会認定 総合内科専門医
日本循環器学会認定 循環器専門医
日本不整脈心電学会認定 不整脈専門医
参考資料
- 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
- 日本高血圧学会「一般向け高血圧管理・治療ガイドライン解説冊子」
